Ⅰ.慶應義塾  協生環境推進憲章

慶應義塾は、2019年9月20日に「協生環境推進憲章」を制定いたしました。この憲章を遵守し、つねに「気品の泉源、智徳の模範」にふさわしい行動・言動をこころがけてください。

協生環境推進憲章

 慶應義塾は、創立者福澤諭吉が「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らずと云えり」と『学問のすゝめ』の冒頭で述べたように、一人ひとりの自由・平等・権利を尊ぶ精神の涵養を建学以来教育理念として掲げてきました。

 また、福澤諭吉は「社会共存の道」とは、「人々自から権利を護り幸福を求むると同時に、他人の権利幸福を尊重して、苟(いやしく)も之(これ)を犯すことなく、以て自他の独立自尊を傷けざるに在り。」と編纂された『修身要領』の中で述べ、さらには人と人の交わりである「人間交際 (じんかんこうさい)」の実践を大切にしましたが、その実現は現在もなお途上にあり、いまだ多くの課題が存在しています。慶應義塾は、「協生」という理念の下、その解決に向けて、社中一致して取り組みます。

 多様な価値観が並存する今日、年齢・性別・SOGI(性的指向・性自認)・障害・ 文化・国籍・人種・信条・ライフスタイルなど、様々な背景を有する人々が、誰一人として社会から孤立したり排除されたりすることなく、互いの尊厳を尊重し合う社会が実現されなくてはなりません。

 慶應義塾は、「気品の泉源、智徳の模範」として「全社会の先導者」たらんとする創立以来の目的に沿って、多様な価値観を認め、自他の尊厳に等しく敬意を払い、協力し合う協生社会の実現を目指し、ここに慶應義塾 協生環境推進憲章を定めます。

憲章

  1. 自他の尊厳に等しく敬意を払い、互いの人格を尊重し、協力し合う協生社会の実現を目指します。
  2. 多様な価値観への理解を深め、自分らしく生きることへの共感と配慮を育む啓発活動を推進します。
  3. 社会的障壁を取り除くことに努め、個々の選択に応じた生き方を実現できる環境を整備します。

慶應義塾

Charter of the Keio University for Equity, Diversity, and Inclusion

 Keio founder Yukichi Fukuzawa wrote, “Heaven, it is said, does not create one person above or below another” in the opening to his book An Encouragement of Learning. Similarly, Keio University has had the cultivation of a spirit that respects the freedom, equality, and rights of every individual as its educational principle since its establishment.

 Additionally, in Shūshin Yōryō, a compilation of Fukuzawa’s moral codes, he says: “The only way in which social life can continue is for each individual to keep unimpaired his or her own independence and self-respect as well as that of others. This may be done by respecting the rights and happiness of others at the same time that we seek our own happiness and protect our own rights.” Furthermore, he emphasized the importance of acting in a manner that recognizes “social intercourse” or relationships between people, although we are still in the process of realizing this in practice as there remains many issues that must be addressed. Under the principle of “collaboration,” Keio University and all members of the university “company” (shachu) will work together to find solutions to these issues.

 Diverse values coexist today, and we must realize a world in which we mutually respect each other’s dignity and ensure that no one is isolated or excluded from society among people with a variety of backgrounds in terms of age, sexual orientation and gender identity (SOGI), disability, culture, nationality, race, religion, and lifestyle.

 While keeping in line with its founding mission to “become a leader in all societies” by being a “source of honorable character and a paragon of intellect and morals,” Keio University will move forward with the aim of realizing a collaborative society in which people cooperate with each other, accept a variety of values, and equally pay respect to the dignity of oneself and others. To this end, we have established the following charter for the Keio University for Equity, Diversity, and Inclusion.

Charter

  1. We aim to realize a collaborative society in which people cooperate with each other while equally paying respect to the dignity of oneself and others and giving due regard to the personalities of one another.
  2. We will promote developmental activities that foster sympathy and consideration to living a life that is true to oneself while deepening our understanding of diverse values.
  3. We will establish an environment in which people can live their lives in accordance with their individually chosen lifestyles while making every effort to remove social barriers.

Keio University


Ⅱ.具体的な学生生活上の諸注意

以下に具体的な諸注意を記しますので、協生環境推進憲章とともに、その内容を十分理解した上で、遵守してください。

  1. 不適切な行為の禁止
  2. 違法行為、公序良俗に反する行為、他者の尊厳や人権を侵害し、生命・身体・財産を傷つける行為は、いかなる理由があろうと許されません。
  3. 危険な飲酒行為の禁止
  4. 違法行為である「未成年飲酒」、場を盛り上げるために集団で掛け声をかけて飲酒をあおる「コール」や「イッキ飲み」、「飲酒の強要」などは、生命を脅かす危険な飲酒行為です。飲酒に対する正しい理解に努め、飲酒を行う場合は、法令を守り、節度ある飲酒をしてください。
  5. 性加害行為の禁止
  6. 性暴力、セクシャルハラスメント、わいせつ行為、盗撮、痴漢、ストーカーなどの「性加害行為」は、民刑事上の責任が問われる行為であるだけでなく、他者の尊厳を根底から否定する行為で、断じて許されません。また、これらの行為を見逃さない勇気を持ってください。
  7. 公共の場での迷惑行為の禁止
  8. 地域社会との協生も塾生にとって大切な責務です。日吉駅などの駅構内や路上、公園等の公共の場所での、集団での飲酒や長時間の滞在、通路や歩道・店舗入口前をふさいだり、大声で話し、騒ぎ、叫び、また、公共の施設や財産を汚し損壊することは近隣住民の皆様の生活を破壊する行為であり、厳に謹んでください。
  9. SNS上での不適切な発言の禁止
  10. SNS上で他者を傷つけたり人権を侵害するような発言は、匿名や限られた仲間内であっても許されるものではなく、場合によっては法的責任を問われることがあります。自分の発言には責任が伴うことを十分自覚してください。
  11. 薬物使用の禁止
  12. 危険ドラッグ、大麻、覚醒剤、麻薬などの違法薬物の使用・所持は、厳しく罰せられる犯罪です。心身を脅かす薬物には、絶対に近づかないでください。
  13. レポート等の学習上の注意 レポートの模範解答や過去の試験問題がインターネット上で売買されるという事実が確認されています。
    レポートの課題や過去の試験問題を無断で公開、販売することは、著作権の侵害に該当する場合があることに加え、それらを通じて入手した内容の大半を引用して提出することは、学習の成果としてのレポートの意義を著しく低下させるだけでなく、剽窃等の不正行為に該当し、通信教育部学則第80条に規定する「学生としての本分にもとる行為」と認定され処分の対象となる場合があります。絶対にやめてください。
    学習時には、テキスト科目履修要領内のレポート作成上の注意等に従い、常に学生としての自覚を持って臨むようにしてください。